夢や幻想が現実となった時大きなギャップに戸惑った経験はありませんか?
子供たちに人気の職業であるYoutuberは、見た目にも華やかで大金を自由に操れて欲しい物はなんでも手に入れる、とても煌びやかな職業に見えていることでしょう。
Youtube黎明期に活躍していた人気Youtuberは364日働いて1日平均2時間睡眠と、煌びやかに見える裏側では相当過酷な状況にいたようです。
何事も氷山のように、煌びやかな一角に隠れて大きな苦労があるのではないでしょうか?
今回は幸せに見えた子育ての現実に苦悩する主人公を描いた漫画の紹介です。
目次
– 作品紹介
– 作者紹介
– あらすじ
– 感想(多少ネタバレ?)
– 注目ワード
– どこで読める?
作品紹介
タイトル:ぢごぷり
作者:木尾士目 先生
巻数:全2巻
掲載誌:月刊アフタヌーン
出版社:講談社
掲載時期:2008年7月号 – 2010年8月号
作者紹介
名前:木尾士目 先生
作品リスト:点の領域、陽炎日記、四年生、五年生、クラカチットの街、げんしけん、くじびき♥アンバランス、ぢごぷり、Spotted Flower、はしっこアンサンブル
出身校:筑波大学芸術専門学群美術専攻日本画コース
その他:ギリシャリクガメを飼っている。プラモデルを作るのが趣味。
あらすじ
18歳のシングルマザー沖浦あゆみと双子の妹かなめ、二人が新生児の育児に奮闘する。
リアルな育児の現実を描き、夜泣きや排泄物の処理など様々な困難から、徐々に疲弊していく様子が描かれています。
タイトルを地獄〇丁目としており、育児の大変さを地獄に例えて表現しています。
感想(多少ネタバレ?)
オタク文化の現実をリアルに描いた「げんしけん」作者が描いた育児漫画。
通常育児漫画では大変でも幸せな部分が協調されがちだが、この作品ではとにかく育児の厳しさや母親としての自己嫌悪、愛情と憎悪の葛藤が描かれている。
この作品が書かれたのは2008年でいわゆるガラケーが主流の時代で、ようやく定額インターネットつなぎ放題が普及し始めたころ。
今ではインターネットで調べたり、ChatGPTに質問したりと様々な手段で情報を得られるが、当時は情報にアクセスしやすい時代ではなく、SNSのように気軽に誰かに相談する事も難しかった。
時代背景を含めて考えるとより主人公の辛さがわかってくる。
初の育児に寝不足で頭が働かず、相談できる人もいないとなると一つの考え方から抜け出すのは難しい。
負の感情に捕らわれた主人公のリアルな育児が生生しいが、妹がゴスロリの恰好をしているなど、現実離れした設定が所々にあり、リアルでありつつも別世界の出来事としてバランスを保ってくれている。
どこか育児は幸せそうにやらなくてはいけないという雰囲気があり、幸せに出来ていないと親として失格だと後ろ指さされているように感じてしまう事がある。
世の中の作品が幸せ成分を多めに書けば書くほど、育児の辛さを隠し通さないといけなくなってしまう。
子供の個性は十人十色で親の性格も十人十色、育児に辛さを全く感じない人もいればその逆もいて当然。
中々育児の辛さは人に相談しにくく、フィクションで脚色されてはいるが、リアルなダーク面を表現する本作を読むと、憎悪を持つくらい大変になっても育児ってそういうものなのかと救われる人もいるのではと感じた。
勘違いしないでほしいが、あくまで辛くて大変な点であり、憎悪をありのまま子供にぶつけるなど、ネグレクトを推奨している訳ではない。
育児でダークサイドに落ちそうになったら病んでいる証拠なので、すぐ適切な機関や団体の力を借りましょう。
「おやこのミカタ」というサイトにある「あなたのミカタ」という所で状況別の相談窓口載ってるので確認してみると良いかと思います。
赤ちゃんってかわいいだけの存在じゃないの?って思っている人や乳児期の育児が終わり少し乳児期の頃を懐かしめる人におススメな作品です。
注目ワード
この作品を表すワードを一枚絵としたものです。マウスカーソルを合わせると画像が表示されます。ネタバレを含むワードもありますので、ネタバレしたくない人は閲覧しないようにしてください。

どこで読める?
興味を持った方は是非試し読みだけでもいかがでしょうか?
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