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子供に見せたい絵本、世間が見せない漫画/有害都市/筒井哲也先生【おすすめ漫画レビュー】

5巻以内完結

子供に見せたい作品ってありますか?
昔読んでいた絵本、多感な時期に感銘を受けた本、青春の映画作品、
色々な作品に触れた中でいつか自分の子供に見せたい作品がある方も多いのではないでしょうか。
身近に子供がいると絵本を読んであげる機会なんかも増え、
新しい作品に出会う事も多くありますよね。
先日海外の絵本を読んでいたらいたずらっ子がギロチンを作る話が書かれていて、
ギロチンという物を子供に見せて良いのだろうかと疑問が頭をよぎりました。
そうして考え始めると、何が良くて何が悪いのか、自分が見せたい作品は子供にとって良い作品か、基準とは難しいものだなと感じました。
作品のメッセージを受け取れるかという点が重要で、大人が責任を持って判断するのが大切なのかもしれません。
さて、今回は有害指定図書という制度に翻弄される漫画家を描いた作品の紹介です。

目次
– 作品紹介
– 作者紹介
– あらすじ
– 感想(ネタバレなし)
– どこで読める?

作品紹介

タイトル:有害都市
作者:筒井哲也先生
巻数:全2巻
掲載:ジャンプ改→となりのヤングジャンプ
出版社:集英社
掲載時期:2014年4月10日~2015年10月9日
受賞歴:ACBD2015最優秀賞、第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞

作者紹介

名前:筒井哲也先生
出身:愛知県
作品:FOOL’S PARADISE,多重夢,最弱拳銃士ルービック,DUDS HUNT,友美さんの休日,リセット,マンホール,コレクター,予告犯,有害都市,ノイズ,NEETING LIFE ニーティング・ライフ

あらすじ

2019年東京、東京2020 オリンピックを間近に控えた時期に国内では「環境浄化」が叫ばれ、不適切と識者に認定されたものは排除される動きが高まった。
これに合わせてそれまでは自治体単位で行っていた有害図書の認定を国をあげておこなうという新法、通称「健全図書法」が確立された。
主人公である漫画家の日比野 幹雄は、ようやくこぎつけた連載に世間の風潮から暗雲が垂れ込める。
日比野を中心に、健全図書法に翻弄される漫画家や編集者、彼らが行き着く漫画の未来とは。

感想(ネタバレなし)

辛い食べ物が好きで激辛という文字を見ると取り敢えず頼む。
辛い物が食べられるようになってから、
年々食卓を埋め尽くしていく唐辛子。
気付けば食卓は真っ赤、ここは地獄か天国か。
辛さがなければ物足りないと常に食卓には激辛料理
外食すると言っては取り敢えず激辛と調べ、
旅行に行っては取り敢えず激辛と調べる、
日々激辛道を探求する修行僧
目指す先にはきっと天竺があるのでしょう。

子供の頃から辛い物が好きかと言われれば、
多分覚えていないが辛い物など嫌いであったはず。
はじめはきっと親が食べていた柿の種を一口食べたのであろう、
そこからキムチ、カレー、中本と進化していったのだと思う。

徐々に辛さを克服した事を慣れというのだろうが、
この慣れとは怖いもので一味唐辛子がいつのまにかハバネロ粉に変わっていた。
いつか友人に一度聞かれたことがある、
辛さの単位にはスコビルという数値があるのだと。
タバスコはいくつ位だと思う?という問いかけに、
もちろん0と答えた。
それから「辛くないよ」の一言は政治家並みに聞いてもらえない言葉となった。

慣れというのは自分で気づくのが難しいもので、誰かが指摘してくれて初めて知る事が多い。
辛くないよと食べさせてしまった物が辛い物だと言われた時に、
慣れてしまった人達には冷静に教えてくれる、指摘してくれる人が必要だと感じた。
慣れた人はいつしか無意識に悪意無く人を傷つける可能性があるという認識が必要なのでしょう。
だが、指摘する事に慣れた人というのもまた人を傷つける可能性を持つ。
指摘する事に慣れた人にも正しく指摘できる第三者がまた必要なのだろう。

本作品は単純な規制の問題だけではなく、様々な要素が上手く絡み合っており、読み応え抜群の作品。
2014年に書かれた作品だが、時代が経った今見てみる価値があると感じます。
漫画に限らず過剰な規制を強いるケースを良くみかける昨今、
冷静に指摘してくれる第三者の存在を考えてみてはいかがでしょうか。

どこで読める?

興味を持った方は是非試し読みだけでもいかがでしょうか?

電子書籍より紙派の方へ

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