住んでいる部屋に幽霊が出たらあなたはどうしますか?
お祓いしたり、お清めの塩を巻いてみたり、はたまたファブリーズを撒いてみたり…
ファブリーズで除霊できるかどうか、元々は2003年に発売されたホラーゲーム「零~紅い蝶~」の開発者が投じた話で、怪奇現象に悩まされていたがファブリーズを撒いたら一切起きなくなったという話が元になり、現在でも語り継がれる除霊方法の一種となったようです。
(零~紅い蝶~スタッフコラムより ※保護されていない通信の為注意)
ファブリーズ生産元となるP&Gは除霊効果を確認できていないとしつつも、CMでネタとして使っているので楽しんでいるようですね。
匂いに関連して身体に異常をきたすケースもあるようですが、変に理由付けを行うのも野暮な気がしますね。
さて、今回は幽霊騒動を解決してくれる営繕かるかやを営む男性のお話をご紹介します。
目次
– 作品紹介
– 作者紹介
– あらすじ
– 感想(ネタバレなし)
– 注目ワード
– どこで読める?
– 余談
作品紹介
タイトル:営繕かるかや怪異譚
原作者:小野不由美先生
漫画:加藤和恵先生
巻数:全1巻
掲載誌:ジャンプスクエア
出版社:集英社
掲載時期:2021年10月号~2022年5月号
作者紹介
原作者
名前:小野不由美先生
出身:大分県中津市
著書:バースデイ・イブは眠れない,メフィストとワルツ!,悪霊なんかこわくない,悪霊シリーズ,ゴーストハント,呪われた十七歳,グリーンホームの亡霊たち,十二国記,屍鬼,黒祠の島,くらのかみ,鬼談百景,残穢,営繕かるかや怪異譚
コミカライズ
名前:加藤和恵先生
出身:東京都
作品リスト:ロボとうさ吉、青の祓魔師
あらすじ
小野不由美先生の原作小説を基にしたコミカライズ作品で、加藤和恵先生が漫画化を担当しています。営繕かるかやを営む青年、尾端の活躍を描いた作品です。営繕屋とは、建築物の建築や修繕、模様替えなどの業務を行う人のことを指す。物語は全六話から成る短編形式で、各話は異なる怪異のエピソードを中心に展開されています。
感想(ネタバレなし)
原作を書いたのが小野不由美先生という事で、Jホラー独特の怖さが上手に描かれている。小野不由美先生のJホラー代表作の一つである「残穢」は「鬼談百景」含めてJホラーを復活させた作品と言える名作です。ホラーが苦手な方でなければ是非見て頂きたい作品。
Jホラーの怖さは人によって感じる所があると思いますが、ここでいう怖さは幽霊の怖さというよりわからないものへの怖さという点です。人が恐れる闇の怖さにある、なにかがいるかも知れないという恐怖、いるかもしれないという湿度の高いジメジメした恐怖がしっかり存在しています。
この作品の素晴らしい所は怖さを明確に出しながらも、その怖さに主軸をおいておらず、思いやる心に重点が置かれているという点です。怖さだけではない、この作品の良さは一話読んでみると納得頂けるでしょう。
絵柄は青の祓魔師を描いている加藤先生で申し分なく、あとがきの設定を見てもこの作品への愛が溢れているので、描画については文句なしです。
原作、漫画共に素晴らしい方々の競演作品、この作品を読み終わった後にはきっと怪異への考え方が変わるでしょう。
作品の話ではないのですが、購入を考えた方には紙か電子かはよく検討して頂くと良いかと思います。ロマンの紙、読みやすさの電子です。この作品は表紙だけだとわかりにくいのですが、ハードカバーの装飾で辞書程の厚みがあります。喫茶店でハードカバーの小説を嗜むように楽しむなら紙、寝そべりながらゆっくり楽しむなら電子といった具合に考えて頂ければ。
注目ワード
この作品を表すワードを一枚絵としたものです。マウスカーソルを合わせると画像が表示されます。ネタバレを含むワードもありますので、ネタバレしたくない人は閲覧しないようにしてください。

どこで読める?
興味を持った方は是非試し読みだけでもいかがでしょうか?
電子書籍より紙派の方へ
紙でも購入可能です。
コミックレンタルなら自宅に居ながら気軽に紙で本を借りれます。

余談
残穢と鬼談百景について感想で少し触れましたがこの二作品について少し語ります。
2016年に登場した映画作品で日本のホラー映画作品で、この数年前から海外ホラーに近しいモンスター系やスラッシャー系が多く出てきていたが、その系統から外れJホラーとしての良さを活かした作品となっていた。
ホラーとミステリーの二軸を持ち合わせており、ホラーだけではなく徐々に解明されていく楽しさもしっかりと描かれている。
原作ももちろんだが映像化の監督を担当したのが中村義洋さんで、呪いのビデオの企画立ち上げから行い、仄暗い水の底からの脚本も手掛けているホラー作品好きなら一度は彼の作品を見た事があるでしょう。
ちなみに呪いのビデオの「おわかりいただけただろうか」のナレーションを行っているのも彼である。
凄く怖いという訳ではないが、背筋が続々する怖さを味わいたいと思う人にはオススメの作品です。鬼談百景はオムニバス形式となっており、全部で10話収められている。
100物語の設定で100話中の10話を映像化したものとなり、100話目にあたるのが残穢となっている。
オムニバス形式の為1話ずつ監督や脚本家が違っていて様々な恐怖の描き方を楽しむことができる。
監督は6人で残穢の中村監督やコワすぎで知られる白石監督、劇場版零の安里監督と多くの名作を生み出した方々が担当されている。
一本の大作よりは軽く短編ホラーを楽しみたいという方にはこちらがオススメ。
どちらも原作はもちろんおすすめの作品となるので、活字でも楽しんでいただきたい。
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