あなたは何個の仮面を持っていますか?
スイスの心理学者カール・グスタフ・ユングにより提唱されたペルソナという概念。
ペルソナは、私たちが他者と接する際に用いるさまざまな「顔」や「役割」を表現しています。
学校での自分、会社での自分、恋人としての自分、親としての自分、人は様々な仮面を被って生活しています。
役割を演じ切るというのはいわゆるごっこ遊びと同じですが、ごっこはいつから本物になるのでしょうか?
今回はそんなごっこに関する漫画の紹介です。
目次
– 作品紹介
– 作者紹介
– あらすじ
– 感想(ネタバレなし)
– 注目ワード
– どこで読める?
作品紹介
タイトル:ごっこ
作者:小路啓之 先生
巻数:全3巻
掲載誌:スーパージャンプ/グランドジャンプPREMIUM
出版社:集英社
掲載時期:2010年11号 – 2011年21・22合併号/創刊号 – 2012年Vol.10
メディア化:2018年10月に千原ジュニアさん主演で映画化、千原さんの演技もさることながら娘役を務めた子役の平尾 菜々花さんの演技が素晴らしい。映像がお好みの方には映画版もおすすめ。

ごっこ [DVD]
作者紹介
名前:小路 啓之 先生
作品リスト:イハーブの生活、かげふみさん、来世であいましょう、犯罪王ポポネポ
あらすじ
物語は、引きこもりの30歳の男性「ボク」が、虐待を受けていた4歳の少女ヨヨ子を誘拐し、彼女との偽りの親子生活を描いています。ボクは自殺を考えていたところ、ヨヨ子を見つけ、衝動的に彼女を誘拐します。ヨヨ子が彼を「パパ」と呼ぶことで、二人の関係が始まります。この奇妙な親子関係は、社会的な問題や精神的な苦悩と絡み合いながら進展していきます。犯罪と嘘から生まれた親子関係はどのような結末を迎えるのか…
感想(ネタバレなし)
内容:
始めは普通の親子物の作品として読んでいけるが、徐々に「ごっこ」の世界観が顔を出してくる。誘拐犯と被害者を普通の親子物語として描いているように、登場人物に見える普通な異常者感はこの作品ならではの魅力だと思う。普通の中に様々な異常が入ってくるが、変わらぬ日常として物語は進んでいく。違和感にモヤモヤしつつも、最後まで読み進めると徐々に解決していく。セリフのチョイスが面白く、所々出てくるセリフの秀逸さにはクスッとしてしまう。主人公が30歳の設定だが、まだまだ大人になり切れず揺れ動く気持ちには共感してしまう所もあった。シルエットや背景、立ち位置を工夫した見せ方が上手く、シャフトアニメを見ているような描き方は面白いと思う。
絵柄:
しっかり描いている所は上手だが、全体的にラフな印象。背景をしっかり描く箇所は少なく人物だけのコマ割りが多い。ラフとは言っても下手という訳ではなく、すんなり読める絵柄。商店街を背景として描いているコマがあるが細かく描いているコマでは画力の高さが伺える。娘を除く女性は全員綺麗に描かれており、艶やかでありつつどこか儚げな描き方がされている。
注目ワード
この作品を表すワードを一枚絵としたものです。マウスカーソルを合わせると画像が表示されます。ネタバレを含むワードもありますので、ネタバレしたくない人は閲覧しないようにしてください。

どこで読める?
興味を持った方は是非試し読みだけでもいかがでしょうか?
電子書籍より紙派の方へ
現在新品は入手が困難なようです。
コミックレンタルなら自宅に居ながら気軽に紙で本を借りれます。

購入したい方は名作の復刊目指して是非投票お願いします。
