脱個人化という言葉をご存じですか?
集団の中で個人の自己認識やアイデンティティが薄れ、
その結果普段抑制しているような行動を取るようになる心理状態を指すそうです。
匿名性、集団の一体感、このようなものが脱個人化を生じさせ、
脱個人化が進むと人は暴力的になり、自己制御が効かなくなるとか。
昨今生活と切り離せないインターネット環境、
トレンドやバズ、炎上祭りが行われるSNSなんかは脱個人化を生じやすい環境ですね。
脱個人化を防ぐには自分をしっかり保つことだそうですが、
自分がないと自分を保つというのも難しいのかも知れませんね。
さて、今回はそんなSNSに翻弄される若者達を描いた作品の紹介です。
作品紹介

タイトル:
箱庭のレミング
監督・脚本家(敬称略):
第1話監督・脚本:山口健人
第2話監督・脚本:川島直人、共同脚本:敦賀零
第3話監督:下田彦太、脚本:畑中翔太
第4話監督:藤井道大、脚本:小寺和久
スピンオフ監督:林隆之、脚本:畑中翔太
出演者(敬称略):
磯村勇斗
見上愛
岡山天音
須賀健太
吉谷彩子
話数:
6話(2021年6月17日 – 7月16日)
本編4話、スピンオフ2話
箱庭のレミングのあらすじ
SNSが引き起こす現代社会の闇をテーマにしたサイコスリラー作品。
SNSを通じて現れる人間の欲望や攻撃性などが個人の人生を狂わせる姿を描いたオムニバス形式のドラマです。
物語はそれぞれ異なる人物が主人公となっており、SNSの怖さを色々な切り口から描いている。
ネット社会に潜む問題を深く問いかけ、見るものに強烈なメッセージを残す作品です。
箱庭のレミングを全話見た感想(ネタバレなし)
ほぼほぼSNSに触れた事がなく人とのコミュニケーションもまともに取れていない人間が、
イメージ先行で書き綴っている戯言なので仏のように寛大な心で哀れな子羊の思想を憐れむ気持ちを持てる方のみ読み進めて頂けますと幸いにございます。
自己主張ってさ、何か主張したいものがあってするものだと思う訳よ。
自己の主張なのに自己がなかったら何の主張になるのよ?
だからさ、SNSで発信できる人ってすげぇーと思っている訳ですよ。
コミュ力って何か知ってる?
コミュ力の正体は中身の無いものを発信しあえる能力です。
大抵人が集まって会話している内容なんて中身のない物がほとんどで、
コミュ力お化けは中身の無い話を堂々と語ることが出来る人を指すわけですよ。
その話により強力なコミュ力お化けが更に中身の無い広げ方をしてより中身が無いまま進んでいく。
結果中身は無いけど、何故か全員満足するという摩訶不思議アドベンチャー。
あれ?中身どこに落としてきた?
最初から存在してないんです。
それをリアルでやろうかなーと思っても中身の無い会話なんかするのは度胸がいるわけよ。
だって中身のある会話しててもつまらなそうな反応されて、
自分の話になんか興味ないのだろうと思って困っているのに、
そこで更に中身の無い会話するなんてエベレストより高い壁。
だからSNSという匿名性の高い場所を使ってコミュ力発揮しようとするわけ。
たださ、何者でもない人間の中身の無い内容なんか誰も見てくんないから、
中身が無いのをごまかすためにそれっぽいものをあげたり、
自分の存在価値を示すために人が振り向きそうな事をするわけだ。
理想がコミュ力なのであればそもそも中身が無い物を発信する為にSNSやるわけよ。
それなのに中身作って知ってもらうなんて本末転倒の極み。
更にSNSの悪い所は簡単に自己顕示欲を満たせちゃうところ。
嘘か誠かわからない情報に対してあーだこーだと話が出来て、
それがいつしか大きな波になるとそこに生まれる一体感。
少し話に乗っかってみたらその話題がネットニュースにでもなって、
自分も当事者でしたと言えてしまうし、
中心が自分の発言であれば気持ちよさはこの上ないだろうね。
大体コミュ力無いんです~なんて言ってる人の大半は嘘。
コミュ力無いって中身の無い報告をしてきてるわけだから。
コミュ力本当に無い人はそもそもSNSという匿名の場ですら発信する事ができない。
SNSで何発信していいかわからずアカウント作ってみたけど、
くそ真面目な中身だらけの投稿して、
そこにちょっと自分の気持ちなんか添えちゃって、
一週間後位に見て黒歴史として電子世界から葬り去る。
もはや中身があろうがなかろうが発信出来ないんだからもうコミュ力以前の問題。
社会に出て仕事始めたりなんかしちゃうと言われるんだよね、
人と協力する為に少しコミュニケーション頑張ろうよって。
雑談の仕方すらこちとら知らんのじゃいって言いたい。
あ~、誰かコミュ力ください…
これがSNSに蔓延る中身の無い発言ですよ。
感想っつってんのに感想書かないんだもん。
これで読み終わった人何を思うよ?
対面でこんなこと言ってみ?
ひきつった笑い返したあと速攻ブロックされるよ。
ベンザブロックも速さと的確さにビックリするだろうね。
でも、こんな中身が無い物でも誰かが読んでくれれば嬉しいわけで、
少しの嬉しいが重なるとより読んで欲しいと欲が出てくる。
これにお金が付随してくれば自制は効かなくなるだろうね。
生まれた時からスマホが存在していて、
SNS文化が当たり前の時代を生きる人たち。
慣れているのは当たり前、SNSで知り合った周りはみんな同じ価値観、
脱個人化が進む環境は十分に整っているのでしょう。
そんな中で自制が効かなくなり攻撃性を増した若者たちがどうなっていくのか、
知らない文化を見る興味と似ている。
自分ならリアルもネットもどちらも対応出来る力を求められる現代社会は窮屈で仕方ない。
現代社会は一過性のものが多すぎて、究極のコミュ力がないと生き抜くのは難しい。
どちらも満たしたその先にはどんな価値が待っているのか?
SNSで満たせるもの、満たさないといけないと思っているものにはどんな価値があるか、
SNS?ミクシィの事でしょ?とか言ってるうちはわからないですね。
この作品は2021年に放送されたドラマなので、
より凄惨な事件が実際におきたりもしているけど、
いまいちど立ち止まってSNSとの付き合い方を考えるのに良い機会になるかと。
SNSって扱い方間違えると怖いものだとは頭でわかっていても、
映像化して見せられると少し違った考え方が出てくるのではないでしょうか。
本編も十分に面白いのだけど、
スピンオフの二話がメッセージ性も内容的も楽しめた。
今の時代にこそ見る価値ある作品だと思います。
箱庭のレミングはどこで見れる?
箱庭のレミングはAbemaオリジナルドラマ。
Abemaプレミアムに加入すれば全話一気見できます!
