あなたが見ている世界はどんな世界ですか?
同じものを見ていても人によっては違う見え方をしている、
これは大人と子供、上司と部下、親と子、教師と生徒といった立場の違いから来るものが多くあります。
ルビンの壺という絵をご存じでしょうか?
多義図形と呼ばれるもので、人によって見え方が変わる絵として多数存在しています。
これらの多くは見ている者の価値観があぶりだされるものが多いようで、少し見え方が変わると別な世界が見えてくるようです。
今回は田舎から都会という価値にあこがれ抱く少女を中心に巻き起こる人間ドラマの漫画紹介です。
目次
– 作品紹介
– 作者紹介
– あらすじ
– 感想(ネタバレなし)
– 注目ワード
– どこで読める?
作品紹介
タイトル:ツチノコと潮風
作者:河野別荘地 先生
巻数:全2巻
掲載誌:路草
出版社:株式会社トゥーヴァージンズ
掲載時期:2021年9月22日 – 2022年7月20日
作者紹介
名前:河野別荘地 先生
作品リスト:渚~河野別荘地短編集~、足が早いイワシと私~河野別荘地短編集~、ツチノコと潮風
出身:愛媛県
その他:大学1年生の彫刻作品で異才を放つ、実家のベランダにサルが出る、高校時代は早朝山や海を自転車で無意味に徘徊、独特なセンスの作品を描く
あらすじ
東京から中四国地方の島・暮島にスーパーの店長として転勤してきた主人公。
島民の自由なスタイルに四苦八苦する中、アルバイトの女子高生から突然姉と結婚してほしいと奇妙なお願いをされる。
姉はツチノコ博物館を運営する綺麗な女性。
果たして疑似婚活の行方は…
感想(ネタバレなし)
スーパーの店長である村田とアルバイトの会花、姉を中心に島の住人達との交流を描いたヒューマンドラマ。
島という閉鎖的な空間に都会から来た人間が入ることで、止まっていた時間が動き出すように物語が進みだす。
タイトルの時点からツチノコというUMAがさも当たり前のように登場してくるが、物語を読み進める中でUMAである事が重要な要素を担ってくる。
絵柄はラフだが細かな表情の描き方が上手で、キャラクターの感情が上手く描かれている。
リアルだとかきれいな絵という感じではないが、乙女の描き方が特に印象的で、心に残る何とも言えない可愛らしさがあった。
都会の人が島に来たとなると、何もないという田舎の良さを表に出す描き方をする作品が多々見られるが、この作品では田舎の良さというのが出てこない。
舞台が活きていないという訳ではなく、話しの主軸を描く上ですごく上手に活用されている。
表紙を見て女子高生と晴れた島国の海沿いをランデブーする楽しさ溢れる作品だと思った方は少し待ってもらった方が良いと思う。
ツチノコという異質な存在を除いては、普通の人たちのよくある悩みという人間が等身大に描かれた作品で、過去の自分を重ねたりしながらサクッと読める作品。
二巻という巻数だが、上手に話がまとまっており、読み終わってからも続くであろう彼らの日常を想像したくなる作品。
注目ワード
この作品を表すワードを一枚絵としたものです。マウスカーソルを合わせると画像が表示されます。ネタバレを含むワードもありますので、ネタバレしたくない人は閲覧しないようにしてください。

どこで読める?
興味を持った方は是非試し読みだけでもいかがでしょうか?
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